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蒼い月光~くの一物語~
第13章 決戦!
「ひゃははは~~~
谷底へ落ちてしまえ~~!!!」

力任せに八重を谷底めがけて投げ飛ばした。

「きゃあああ~~~」

八重の体は紙吹雪のように舞った。


「兵吉~~~~~!!!!!」

八重を助け出せと千代は命じた。

「かしこまってござる!!!」

谷へ落下していく八重を目指して
兵吉も宙を舞った。

八重を追いかけながらも
兵吉は懐に手を忍ばせ、
火薬玉を山賊めがけて投げつけた。

だが毒がまだ完全に解毒されておらず、
痺れが手元を狂わせた。

フラフラと放り出された火薬玉に
千代は気づいた。

あの勢いでは届かない!

小太刀を折られた千代にとって、
その火薬玉が唯一の武器だった。

火薬玉を求めて千代も地を蹴った。
見ようによっては
男に斬り殺されるよりは
谷へ身投げして
命を落とす事を選んだように思われた。


「がはは、落ちろ、落ちろ!
みんなまとめて谷底へ落ちてしまえ」

やれやれ、上玉の女を抱けると思っていたのが
仲間を全滅されちまったい。
また一から猛者どもを
集めなきゃなんねえじゃねえか‥‥

ハラワタが煮えくり返っていた。

鬱憤晴らしに里へ降りて
ひと暴れするか そんな事を考えながら、
谷底へ落下してゆく女を見つめていると
女はクルリと宙返りして男と向かい合った。

女は落下しながらも笑っていた。


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