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蒼い月光~くの一物語~
第13章 決戦!
いつもと同じ柔らかい唇・・・
だけど氷のように冷たい・・・
人肌の温もりが感じられなかった。
兵吉と八重の共同作業が始まった。
『お願い・・・千代、息を吹き返して・・・』
体を重ね、お互いの秘所を見せあい舐めあった女。
愛情と共に主従関係の太い絆で
結ばれた仲ではあったがいつしか我が娘のような
慈しみをも抱いていた。
決して逝かせてはならぬ。
『千代さま!逝ってはなりませぬ!』
鬼食い番という下っ端の自分に手をさしのべ
大義であると褒めてくれた姫。
身分へだたりなく接してくれる心優しい姫。
命に変えても必ず蘇生させてみせる!
長い時間のように感じられた。
だが実際は数分間の攻防であった。
やがて「ごぼっ」と大量の水を吐き出して
千代が息を吹き返した。
二人の思いが奇蹟を与えた。
「千代さま!!!」
「千代~~~!!!」
閉じられていた千代の目が
再び日の光を感じて開かれた。
「八重・・・兵吉・・・・」
三人は生(せい)の悦びを味わって
しっかりと抱き合った。