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蒼い月光~くの一物語~
第13章 決戦!

「千代さまは大丈夫でしょうか?」
兵吉が心配げに八重に問いかけた、
付いていってあげるべきかと
お伺いしているかのようだった。
「大丈夫でございまする‥‥
兵吉、この世には私たちには
理解できぬ摩訶不思議な事がございますゆえ‥‥」
そう告げる八重の顔を、
兵吉は理解できずに眺めていた。
そのころ千代は川底で棺を発見していた。
棺を抱きかかえる二体の遺体を見ると
涙がとめどなく溢れた。
「父さま、母さま‥‥朱里でございます‥‥」
血の繋がっていない私を
こんなにも慈愛してくれていたなんて‥‥
川に落下した時点で
事切れていたはずなのに
慈愛が二人を棺のもとまで
たどり着かせたのであろう。
二本の光が上空から川底に降り注いだ。
その光景を川辺から
八重と兵吉は不思議な面もちで見つめていた。
二本の光は千代を優しく包み込んだ。
『朱里‥‥』
『我が娘よ‥‥迎えに来たよ』
ウズメと疾風の魂に抱きしめられた。
「父さま、母さま‥‥」
もう、この世に未練はなかった‥‥
だが千代と別れる淋しさが
朱里を躊躇させていた。
兵吉が心配げに八重に問いかけた、
付いていってあげるべきかと
お伺いしているかのようだった。
「大丈夫でございまする‥‥
兵吉、この世には私たちには
理解できぬ摩訶不思議な事がございますゆえ‥‥」
そう告げる八重の顔を、
兵吉は理解できずに眺めていた。
そのころ千代は川底で棺を発見していた。
棺を抱きかかえる二体の遺体を見ると
涙がとめどなく溢れた。
「父さま、母さま‥‥朱里でございます‥‥」
血の繋がっていない私を
こんなにも慈愛してくれていたなんて‥‥
川に落下した時点で
事切れていたはずなのに
慈愛が二人を棺のもとまで
たどり着かせたのであろう。
二本の光が上空から川底に降り注いだ。
その光景を川辺から
八重と兵吉は不思議な面もちで見つめていた。
二本の光は千代を優しく包み込んだ。
『朱里‥‥』
『我が娘よ‥‥迎えに来たよ』
ウズメと疾風の魂に抱きしめられた。
「父さま、母さま‥‥」
もう、この世に未練はなかった‥‥
だが千代と別れる淋しさが
朱里を躊躇させていた。

