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蒼い月光~くの一物語~
第9章 千代の初枕(初夜)
側女として側室を味わうこともなく
自分の一生は終わるのだ・・
側室には、おそらく侍女の中から
器量のよい若い女が選ばれるだろう。
口惜しい・・・・
せめて15年遅くこの世に生を受けたかった…
腰元にあがる前に
足軽だった夫は戦の矢に討たれ絶命した。
夫の戦果を誉められ、
殿が腰元にと囲ってくれた。
生娘でない女が腰元に召されるのは
異例中の異例だった。
前殿は情けに熱き男だった。
だがその殿は若くして病に倒れた・・・
跡を継いだ若殿は傍若無人だった。
情けを持たぬ男・・・
私を木偶(でく)人形呼ばわりした・・・
だが私はそんな情けを知らぬ殿であっても
一時でも男として見ぬ日はなかった。
何度もお身拭いの最中に、
その立派なへのこに吸い付こうとしたことか・・・
あああ・・・・欲しい・・・・
殿が・・・男が欲しい・・・・
殿の舌の動きに合わせるように
しなやかな千代の身体が身悶える。
その身悶えに合わせるように、
八重も淫らになっていった。