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JOY(濡れる女医)
第7章 看護士 誠志
「お互いに違う病棟だから
こうしてお会いできるのは稀ですよね」
小児科病棟の誠志は
白衣を着用していなければ
子供番組に出てくる歌のお兄さんのようだった。
院内で何度かすれ違ってはいたけど、
病棟が違うので
こうやってちゃんと会話するのは初めてだった。
「僕も夜勤明けなんです。
よかったらお送りしますよ」
そう言って車のキーを
ポケットから出してチャラチャラさせた。
真由子とて夜勤明けの疲れた体を
通勤ラッシュに揉まれるのは
好きではなかったので
誘いに甘えることにした。
「最寄りの駅でいいですか?」
変に自宅まで送ると言われるより、
こうやってされげなく
自宅近くの駅までと言われる方が
乗せていただくこちらも
気兼ねすることなく助手席に乗り込むことができた。
次第に真由子はこの青年に好感を持つようになった。
駅に着いてもこのままバイバイするのが勿体なくて
「夜勤明けで眠いでしょ?
もしよかったら私の部屋でコーヒーでも…」
「いいんですか?それは嬉しいなあ」
じゃあ、住所を教えてください。
彼はそう言ってカーナビに手を伸ばした。
その後、真由子の部屋でテーブルを挟んで
二人は見つめ合っていた。