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揉ませていただきます
第1章 男性編 新参者
宴会場からは賑やかな声が漏れていた。
アベノミクスとやらで
大企業はそれなりに潤っているのだろう。
一時期、閑散としていたアクセスの悪い温泉郷にも秘湯ブームとやらで、
大企業の団体客が週末になると大挙として押し寄せていた。
宴会が一段落すると
マッサージ師の吉富健斗の出番がやってくる。
今でこそ温泉宿から仕事を頂く指圧師だが、
数年前までは自分の整体院を持ち、
それなりに繁盛していた。
だが近所に大手のマッサージ店がオープンするや、
料金体系やサービス内容に太刀打ち出来るはずもなく、
客足が瞬く間に遠のき赤字続きとなった。
開業するために借りた借金の返済にも困るようになり、
仕方なく店を畳んで逃げるようにやってきたのがこの温泉郷だった。