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揉ませていただきます
第1章 男性編 新参者

女将専用の休憩室に招かれることになったが、
その前にと女将が次のような質問をしてきた。

「お布団がいいのかしら?
ベッドでも大丈夫?」と聞かれた。

指圧の効果を知ってもらうのは
布団がベストだった。

ベッドだとスプリングが
指圧の力を逃がしてしまうからだ。

だが、きっとお客様の中には
洋室の方もおられるだろうし、
何が何でも布団でなくてはいけないと
わがままを言えないので

健斗は「どちらでも大丈夫ですよ。
女将さんが寛ぎやすい方を選んで下さい」と答えた。

「第一問目、合格ね…
中には絶対にお布団だという頑固者もいたわ」

さあ、入って…

招き入れられた部屋は
女将専用の休憩室とは名ばかりで、
四畳半の小さな部屋に
布団がひと組ぽつんと敷かれているだけの
殺風景な部屋だった。


「帯は解いたほうがいいのよね」

建斗の返事も待たずに
女将は帯を解き始めた。

シュルシュルという
和服特有の淫靡な音が
BGMのように部屋に流れた。


「指圧で生地が傷んでしまいますから
長襦袢だけのお姿でお願いします」

「第二問目も合格ね、
あなたの目にはいやらしさが宿っていないわ」

今までの中には長襦袢姿を目の当たりにして
胸元と尻を
穴の開くように見つめる男もいたそうだ。

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