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揉ませていただきます
第1章 男性編 新参者
女将は現在のシステムに
不満があるのだと言った。
お客様からフロントに
指圧の依頼があった場合、
旅館から指圧協会に
派遣の依頼をしなくてはならず、
依頼した時点で
協会へのマージンが発生するのだと女将は嘆いた。
「上手な指圧師さんならいいのよ。
でも、中には下手な方もおられて
その都度お客様からフロントに苦情があるのよ…」
そこで女将は専属の指圧師を
従業員として雇う計画を立てているのだと言った。
「もちろん協会には指圧師として雇うのではなく、
雑用係として雇用すると説明するので
指圧の仕事が無いときは
掃除などもしてもらわなきゃいけないけど…」
健斗としても願ってもない誘いだった。
月に数回しか指圧の仕事がない現状では
生計が破綻するのは明らかだったからだ。
「もし雇っていただけるのであれば是非!」
「待って。
それはあなたの指圧の腕が確かな場合よ。
私自身が適正試験をさせて頂くけど
よろしいかしら?」
腕には自信があったので
健斗は二つ返事で了解した。