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愛の隠れ家
第5章 忘れ物を取り戻したい男

不倫相手の人妻を最寄りの駅まで送り届けてから
佐藤健司はどうしようか迷っていた。

車を降りるときに女が
「あのバイブ、すっごく気持ちよかったわ、
また今度もあれで可愛がってね」
はにかみながら、そう言った。


おいおい、俺のマグナムより
良かったというのかよ。

そんな言葉を返してから、ふと思い出した。

『やべえ!
バイブをホテルに忘れてきちまったよ!』

どうする?また新たに購入するか‥‥

だが高性能な代物だっただけに
ホイホイと買い替えるには抵抗があった。


安月給の自分が不倫をするなんて
身の丈知らずもいいところだったが、
女好きな自分の性分は堪えることができなかった。


仕方ない、格好悪いが取りに引き返すか‥‥

忘れ物として
フロントに届けられてるかもしれない。

そう思いながら車をUターンさせた。

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