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TRUE COLORS ~PURPLE~
第29章 New Year 2
梅乃さんと結城君。
なかなか癖の強い者同士だけれど、どうしてか気が合うらしい。
気難しい上に忙しい人だけれど、
結城君がアポなしでいつ何時ふらりと寄っても歓迎するって言うんだから。
俺からしたら、アポなしで行くなんて恐ろしい真似出来ねぇよ。
祖母なのにな。(笑)
「お前もたまには梅乃さんところに行けよ?」
そんなことを考えていたのを知ってか、父さんが笑いながら俺に言う。
苦笑いするしかない。
一条の家より梅乃さん宅の方が敷居が高いのは、
あのお見合い写真の束なんだよとも父さんには言えない。
「俺が行く時一緒に行きましょうよ。俺、直人さんの点てた茶も久々に飲みてぇ。」
こいつ。
俺が茶なんか点てるなんてことになったら、
それこそ梅乃さんが大変なことになるの分かってて言ってんな?
今すぐかき集めれるだけかき集めた、
年頃の愛弟子やどこぞのご令嬢がズラリと列席すんだぞ?
もう、あんな目に遭うのは御免だ。
「ま、予定が合えば、な。」
と軽くいなした頃
真っ赤な顔をしたままの沙織がリビングに戻って来た。
「お、着替えたか。ちょっと買い物付き合えよ。」
笑いながら言う結城君をギロリと睨みつける、沙織。
まぁまぁ、と宥められながら背中を押され、
上着を取りに行くべく、また沙織の部屋へと戻っていく。
「沙織に弟がいたらあんな感じだったんだろうね。」
目を細めながら、熱いお茶の香りを愉しむように湯呑を傾ける父さん。
結城君の沙織に対する淡い恋心なんかもとっくに気付いているだろうに。
全く動じた感がないのは、流石とでもいうべきなんだろう、な。
なかなか癖の強い者同士だけれど、どうしてか気が合うらしい。
気難しい上に忙しい人だけれど、
結城君がアポなしでいつ何時ふらりと寄っても歓迎するって言うんだから。
俺からしたら、アポなしで行くなんて恐ろしい真似出来ねぇよ。
祖母なのにな。(笑)
「お前もたまには梅乃さんところに行けよ?」
そんなことを考えていたのを知ってか、父さんが笑いながら俺に言う。
苦笑いするしかない。
一条の家より梅乃さん宅の方が敷居が高いのは、
あのお見合い写真の束なんだよとも父さんには言えない。
「俺が行く時一緒に行きましょうよ。俺、直人さんの点てた茶も久々に飲みてぇ。」
こいつ。
俺が茶なんか点てるなんてことになったら、
それこそ梅乃さんが大変なことになるの分かってて言ってんな?
今すぐかき集めれるだけかき集めた、
年頃の愛弟子やどこぞのご令嬢がズラリと列席すんだぞ?
もう、あんな目に遭うのは御免だ。
「ま、予定が合えば、な。」
と軽くいなした頃
真っ赤な顔をしたままの沙織がリビングに戻って来た。
「お、着替えたか。ちょっと買い物付き合えよ。」
笑いながら言う結城君をギロリと睨みつける、沙織。
まぁまぁ、と宥められながら背中を押され、
上着を取りに行くべく、また沙織の部屋へと戻っていく。
「沙織に弟がいたらあんな感じだったんだろうね。」
目を細めながら、熱いお茶の香りを愉しむように湯呑を傾ける父さん。
結城君の沙織に対する淡い恋心なんかもとっくに気付いているだろうに。
全く動じた感がないのは、流石とでもいうべきなんだろう、な。