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第6章 ”ナイチンゲール”

「なぁに？レイ、レイって。妬いちゃうなぁ。」

「だって、」

「だってじゃないの！全くレイったら、

　サオリをこんなに過保護にしちゃって。

　一種のマインドコントロールね。」

「そんな。」

あまりの言い様に言葉が詰まる。

「嘘よ、ごめんね。妬いちゃったから意地悪言っちゃった。」

ヘヘッと笑って、ベッド傍の椅子に掛ける。

「長い間、あなたの“ｃｈｉｌｄｒｅｎ”の健康診断とメンタルケアを

　していなかったから、大事の前に済ませておきたかったから。」

笑っていた顔がスッと消え真面目な顔と声色になっていく。

「これからのあなたの健康面と精神面が心配ないものか、

　私も朝倉先生も、もちろんレイも心配でね。」

キャシーの蒼い目をじっと見つめる。

「ありがとう、キャシー先生。」

「採血や身体的なものはあなたが眠っている間にあらかた済んではいるの。

　後は静養をたっぷり取るのが今のあなたの仕事ね。

　どんな人間も肉体的にも精神的にも健康でいるためには、

　休息が必要なのよ。」

と言って私の手に手を重ねてくれる。

「さ、一緒に朝食はどう？」

そういわれたと同時に私のお腹が派手にぐぅ～っと鳴る。