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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第9章 Lily of the valley

「へぇ~。さすがはASAHINAのデザイナーたちよねぇ。」

レイが俺のオフィスの応接ソファに深く掛けながら、

デザイン画を1枚1枚丁寧に見てテーブルに置いていく。

その横でちょこんと浅く腰掛け前のめりになりながら、

テーブルに置かれていったデザイン画を手に取り

キラキラした目で見るお姫様。

「ね、レイ。これ、凄くステキ!」

中から、俺のデザイン画を選びレイに見て!と差し出す。

「ステキだけど。これ、桜井。アンタのデザインよね?」

やっぱ、レイには分かるか。

全てのデザイン画をまとめ、その束をヒラヒラさせながらこちらを睨む。

「どれもこれも、天下のASAHINAらしくっていいと思うわ。」

バンッと束をテーブルに置き

「でも。朝比奈のデザイン画は、この中にはないわね?」

どういうことなの?とその眼差しは俺に問いかける。

「いい?私はねぇ!」

そう言いかけたレイの言葉を遮るように

オフィスのドアが勢いよく開き、社長が入って来る。

「社長……。」

「朝比奈!……アンタ!」

「俺のデザイン画だ。」

大判の封筒をレイに手渡す社長。

社長のその姿に気圧されるように、封筒を受け取るレイ。

お姫様も唖然とした顔で社長を見ている。

「桜井、シャワールームに行ってそれからまた来る。それまで、後、頼む。」

そう俺に言い残し、足早にオフィスを出ていく。

社長はここ1週間自分のオフィスのブラインド全部を下ろし、

誰とも接触をしなかった。

俺も出張等もあり、あれ以来接触しようとはしなかった。

業務上の連絡は内線で済ませていた。

徹夜続きの1週間だったのか?

髪は乱れ、頬と目のあたりの肉もごっそりと削げ、

肌もくすみうっすら髭が生え。

やつれたその姿からは男臭い汗と煙草の匂いもした。

普段あまり煙草を吸わない社長だが、

何かあるときはヘビースモーカー並みに吸う。

「凄い………!!」

封筒から取り出したデザイン画数の束を取り出し、

1枚1枚確認していくレイとお姫様の口から感嘆の呟きが漏れる。

今までのデザイン画を見る様とは大違いだった。

テーブルにゆっくり1枚ずつ丁寧に置かれていくデザイン画に目をやる。


………………流石だよ。社長。

俺たちが束になっても、やっぱアンタには敵わないよ。完敗だ。

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