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漏らしちゃったの?
第2章 海の秘密
できあがった鍋を2人でつつく。ふと、伊倉さんが思いついたようにわたしに言った。

「青凪さん、明日は仕事?」

聞かれて、首を横に振る。

「いえ、明日は休みです」

「そっか、僕も明日は休みだから」

そう言うと、伊倉さんはおもむろに立ち上がって、冷蔵庫の方へ。
……ビールを2本取り出して、戻って来た。

「はい、これ。ビールは好き?」

「好きです! ……いただきます」

冷えたビールを手渡されて、顔がほころぶ。
最近、忙しくしていて、久しく誰かと飲んでいなかった。
お互いにプルタブを引く。缶のまま、軽く乾杯をして口をつけた。

にこにこと、伊倉さんがわたしのことを見ている。

「いい飲みっぷりだね」

「すいません、なんか……久しぶりで、美味しくて」

伊倉さんと話しながら、鍋を食べて、ビールを飲む。

下戸ではない自負はあったが、勧められるままに2本目を飲んでいた。
ここ最近の疲れと、伊倉さんと食事をする楽しさで、酔いが回る速さに気づかなかった。


そろそろ帰らなきゃ。
そう思った時には、立ち上がれなくなっていた。

「んー、ごめんなさい、少し休んでから帰りますね」

時刻は、午後9時を回っていた。
伊倉さんが心配そうな表情で、机に突っ伏すわたしの顔を覗き込む。

「本当に大丈夫? もしかして、無理して飲んでた?」

「全然! そんなことは!!!」

そんなふうに思わせてしまったことが申し訳なくて、頭を思いっきり横に振ると、視界が揺れた。

「酔い回るって……! じっとしときな」

伊倉さんの冷えた手が、そっと、額に、頬に、触れていく。
気持ちよくて、自然と目を閉じると、気持ちも一緒に緩んで、思っていたことが言葉になった。

「……伊倉さん、好き」

言葉にしてから、はっとして、口を抑える。
なんで、どこで、そう思っていたのか、自分でもびっくりするくらいナチュラルに出てきた言葉は、隠しようもない。

「いまのは、その……!!」

伊倉さんが、わたしの頬に置いていた手を引く。

たっぷり10秒、お互いがお互いの顔を見られないまま、沈黙が流れる。
意を決したように、伊倉さんがこちらを向くのがわかった。

わたしの顔を両手で挟み込むと、しっかりとわたしの目を覗き込んだ。


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