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漏らしちゃったの?
第2章 海の秘密

「好きだ。僕も、青凪さんのこと」
瞳の奥を、覗き込まれて。
時が、一瞬だけ止まる。
そうしているのが、恥ずかしくなってきて、目を逸らそうとすると、伊倉さんが吹き出すように笑って、わたしの頬から手を離した。
「最初に見た時から。一目惚れだった。もう30にもなって、一目惚れだなんて。俺にもまだ、そういうきもちがあったんだなって。ちょっと恥ずかしい」
伊倉さんが、砕けた口調になる。一人称が『俺』になったことに、彼は気づいていなかった。
驚いて、冷静になっていた心に、熱いものが込み上げてくる。
抑えきれない気持ちが、心の底から突き上がってきた。
もっと。もっと、触れていて。
笑う伊倉さんを、真剣な目で見つめていた。
解かれた手を、自分から握る。熱と同時に、酔いも戻るような、そんな気分だった。
今度は、伊倉さんが驚いて目を丸くする。
心の底にいた自分に、動かされるようにして、言葉がこぼれ落ちる。
「恥ずかしくないです。歳なんて関係ない。一目惚れだって、わたしを好いてくれたこと、すごく嬉しいです」
泣きそうになっている自分がいた。
もう一度、触って。
握った伊倉さんの手を、わたしの頬へ寄せる。
伊倉さんが一呼吸置くと、わたしの目を見た。
わたしが頷く。
それが合図だった。
唇が重なる。
1度目は、軽く。
2度目は、お互いが求め合うように舌を絡ませた。
顔が、体が、熱く火照っていく。
お腹の奥が、きゅっと、これから起こることを予感して、縮こまる。
この時間が、永遠に続けばいいと思った。
瞳の奥を、覗き込まれて。
時が、一瞬だけ止まる。
そうしているのが、恥ずかしくなってきて、目を逸らそうとすると、伊倉さんが吹き出すように笑って、わたしの頬から手を離した。
「最初に見た時から。一目惚れだった。もう30にもなって、一目惚れだなんて。俺にもまだ、そういうきもちがあったんだなって。ちょっと恥ずかしい」
伊倉さんが、砕けた口調になる。一人称が『俺』になったことに、彼は気づいていなかった。
驚いて、冷静になっていた心に、熱いものが込み上げてくる。
抑えきれない気持ちが、心の底から突き上がってきた。
もっと。もっと、触れていて。
笑う伊倉さんを、真剣な目で見つめていた。
解かれた手を、自分から握る。熱と同時に、酔いも戻るような、そんな気分だった。
今度は、伊倉さんが驚いて目を丸くする。
心の底にいた自分に、動かされるようにして、言葉がこぼれ落ちる。
「恥ずかしくないです。歳なんて関係ない。一目惚れだって、わたしを好いてくれたこと、すごく嬉しいです」
泣きそうになっている自分がいた。
もう一度、触って。
握った伊倉さんの手を、わたしの頬へ寄せる。
伊倉さんが一呼吸置くと、わたしの目を見た。
わたしが頷く。
それが合図だった。
唇が重なる。
1度目は、軽く。
2度目は、お互いが求め合うように舌を絡ませた。
顔が、体が、熱く火照っていく。
お腹の奥が、きゅっと、これから起こることを予感して、縮こまる。
この時間が、永遠に続けばいいと思った。

