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漏らしちゃったの?
第2章 海の秘密

長い口づけのあと、伊倉さんに抱きしめられていた。

なんで、こんなに安心するんだろう。
体温と匂いと、心臓の音と。



あぁ、あったかい。



目を閉じたら、そっと声が降ってくる。


「……怖くない? 大丈夫?」


そういえば、少しだけ、わたしを抱きしめる伊倉さんの手が震えているような気がして、顔を見上げた。

「……伊倉さん、大丈夫ですか?」

……きっと怖いのは、伊倉さんの方なんだ。


そう思ったら、自然と手を伸ばして、伊倉さんに抱きついていた。
わたしの肩に、伊倉さんが額を預ける。


「あぁ……ごめん、かっこ悪くて」


伊倉さんが震える手で、わたしの背中に手を回す。

徐々に収まっていく、手の震え。

理由を聞くのは、不毛だと思った。
いまはただ、こうしているのが、お互いにとっていちばん良いんだと思って、抱きしめる力を強くする。


「もう大丈夫、ごめんね、ありがとう」


わたしを引き離すと、伊倉さんが力なく笑って、わたしの額にキスをした。


「今日は遅いから、泊まっていって」

「え、でも……」

迷惑なんじゃないか。そう思ったけれど、伊倉さんが遮る。

「思ったより夜は危ないよ。それに泊まってほしいんだ。下心が無いと言ったら嘘になるけれど」

「なっ……?! し、下心て……?!」

いたずらっぽく笑う伊倉さんに、わたしが焦って赤面する。

「冗談だよ。いまは1人になりたくないだけ。一緒にいてくれる?」

コクっと頷いてみるけれど、少しだけモヤッとしてしまうのは、手を出されたい気持ちがあるからなのか……。
自分でもわからずに俯いた。



その日の夜は、ふたりで同じ布団に包まった。


抱き合って、ゆっくりと眠りに落ちる幸福感に身を任せる。




…………それで、すっかり忘れていたんだ。

夜中、起きてトイレに行くための、アラームのことを。



そんなわけで、死ぬほど焦ることになるんだけれど…………
話は冒頭に戻る。




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