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漏らしちゃったの?
第3章 お漏らし矯正と同棲生活

昼下がり、なんだか良い匂いで目が覚めた。

台所から、リズム良く何かを切る包丁の音が聞こえる。

伊倉さんが起き出して、遅めの昼食を作っていた。
ぐるぐるとお腹が鳴って、起き上がろうとして、はっとする。

……下着が重い。

シーツは濡らしていないものの、オムツはぐっしょりのはずだ。
最近この感覚でわかってしまうから嫌である。

うんざりしながらため息をつく。

オムツの交換は、必ず伊倉さんに言うこと…………。

思い出して、横になったまま、控えめに伊倉さんを呼ぶ。


「伊倉さーん…………」


「んー?」

間延びした声、包丁の音が止まって、寝室へやってくる。

「おはよ、どうした?」

夜勤明けとは思えないほど回復して、さっぱりした顔の伊倉さんが、わたしの顔を上から覗き込む。
ふんわり、卵焼きのような良い匂いがして、だからこそ気が引ける。

「あのぅ…………」

顔を両手で隠す。

「どうした?」

伊倉さんの手がわたしの頭を撫でる。

「…………あの、下着…………」

「んー?」

指の隙間から、伊倉さんの顔を盗み見ると、少しだけ意地悪そうな笑みを浮かべた。でもかっこいいからずるい。

わかってるくせに、ずっと話を聞く体勢でいる伊倉さん。

言わないと、交換して貰えないし、ずっとこのままのつもりなんだ……。

意を決して、ぽそぽそと言葉を発した。


「あ、の…………漏らしちゃった…………」

「あら、大変。……海、どうしてほしいの? 濡れたままだと嫌だね?」

意を決したのに…………!!!
伊倉さんは意地悪な表情を崩さぬまま、わたしの言葉をさらに待っている。


「…………替えてください……オムツ……新しいのに……」


「うん、よく言えました。えらいね。……お昼寝もおねしょしちゃったのか〜、なかなか治らないよね」

言いつつわたしの頭を撫でる。

「……ごめんなさい」

「いいよ、大丈夫。でもあんまりひどいと病院かなぁ」

「び……病院、ですか?」

病院は嫌いである。……好きな人なんていないだろうけど。

「さ、交換するからズボンぬぐよ」

ズボンを脱ぐと、大きく足を開かれる。
マジックテープのビリビリの音が、恥ずかしくてたまらない。

陰部を拭いてもらう時は声が出てしまう。

「恥ずかしいけど頑張ってね〜」

そうしてようやく、オムツ替えが終わる。
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