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漏らしちゃったの?
第6章 経過観察

「今日で3日ということは、明日で4日目。便秘してるのは前々から気づいてはいたし、今までまあ溜めても自然排便でできてるから、大丈夫とは思うけど……」
唾を飲み込む。その前置きは絶対に良くない。
「明日は診察だからね。海が受ける検査はお通じは出しておかないといけない」
身震い、3回目。今度は本当に恐怖。
伊倉さんが、わたしの下腹に触れる。軽く手で押すと、思わしくない顔をした。
膝の上で握った両手が、ガチガチに震えている。
つまりは……
「……やっぱ張ってるね。どっちがいい? 家で出しておくか、明日病院で出すか。どっちにしろ、浣腸には変わりないんだけどね」
そんな軽い調子で迫られても…………。
ドクドクと、心臓がなる音が聞こえてくる。
「どっちでもいいよ。家でするなら明日の朝かな。浣腸は買ってきてあるから」
ふっと笑う伊倉さん。
この状況で笑えるなんて……鬼……なんでしょうか……。
助かる方法は1つ。
頑張って、明日の朝までに自力で出すこと。
それって結構、無理かも……と思い、そして浣腸される運命を思うと……。
4度目の身震い。
もう声が出ないよ……。
「まあ、決めるのは明日の朝まででいいよ。わかったら歯磨きしてオムツ当てて寝るよ」
……気が重い。判決を待つ人の気持ちって、こんなものなのかな……。
無心で歯磨きをして、無心で布団に横になる。
オムツを当てるとき、伊倉さんが意識的にお尻の穴を刺激する。
「んー、明日お通じ出たらいいけどねぇ」
マッサージらしいけれど、気持ちが良くなってしまいそうで、すごく恥ずかしい。というか、もう気持ちがいい……。
とにかくこの夜は、祈りながら眠りについた。

