この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
漏らしちゃったの?
第2章 海の秘密

3件目の業務は、車椅子のフィッティングだった。
利用者とその家族と話を進めながら、調整していく。
業務の最中、急激な尿意に襲われた。
先輩が、利用者に説明をしながら、対応しているその間に、トイレで抜けることはできず、ただただその場でもじもじとすることしかできなかった。
おしっこがしたい…………
それしか考えられず、頭の中がいっぱいになる。
仕事の内容が頭に入らず、その場を離れようか迷った時だった。
「あっ……ちょっとすみません。少しだけ、手伝っていただけますか?」
声をかけられて、わたしと先輩が振り向く。
男性の介護スタッフが、困ったような顔をして、わたしたちに助けを求めていた。わたしより少し年上の、さっぱりとした高身長の彼。パステルカラーのエプロンに付けていた名前を確認する。
伊倉秋也
先輩は、接客の対応中だったため、目配せでわたしが行くことが決まる。
「良いですよ」
今にも漏れそうなおしっこを我慢しながら、ゆっくりと歩き出す彼についていく。
施設の中へと入り、ちょうど角を曲がって人影が見えなくなった時、不意に、彼がわたしに耳打ちしてきた。
「あの、間違ってたらごめんなんですけれど……おしっこ我慢してますか?」
ドンピシャで当てられて、控えめに、俯きながら頷く。
他人から見て、もぞもぞしていたのがバレたのかと思うと、恥ずかしくて頬が赤くなる。
彼は、わたしが頷くのを確認すると、迷いなく手を握って歩き出した。
「トイレ行こう」
言われて、素直についていく。
助かった……と安堵する気持ちと、尿意を我慢しながら異性に手を引かれる不思議さが入混ざって、妙な気持ちになっていた。
しかし、尿意はトイレを待ってくれない。
もう少しでトイレ、という時だった。
「あっ」
……じんわりと、生暖かい感覚が、ナプキンに染みる。
漏れだしていることは、明らかだった。
お尻が、股間が、熱くなっていく。
その様子を見て、彼が慌てて共用のトイレにわたしを押しこんだ。

