この作品は18歳未満閲覧禁止です
![](/image/skin/separater1.gif)
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蒼い春
第7章 ほんとうの春
![](/image/mobi/1px_nocolor.gif)
奈央が養護教諭として着任して数ヶ月…
お昼休みに珍しく
幸久先生が保健室にやってきた。
「あら?幸久先生、
どこか具合でも悪いんですか?」
そう尋ねると、
いやいや、そうじゃないんだと
申し訳なさそうにしながら話し始めた。
「いや、実はね…
今度の土曜の夜なんだけどね、
当直当番に当たっていてね」
そう、この学園は
セコムなどのセキュリティを採用せずに、
未だに当直、日直制をしていた。
まあ、手当てはそこそこあるようで、
先生方からもあまり不満の声は出ていなかった。
「ほら、奈央ちゃんも知ってのとおり
今度の土曜はさあ…」
そうだった。
弓子夫妻は月に1度だけ
外食デートをしているのだった。
それが今度の土曜日…
「当直に当たってるのをうっかり忘れてさあ、
お店を予約しちゃったんだよね…でね…」
言いにくそうに
ゴニョゴニョと言葉を濁し始める。
ここまで言われると、
いくら鈍い奈央でもピンときた。
![](/image/skin/separater1.gif)
![](/image/skin/separater1.gif)