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蒼い春
第4章 同僚の沢口先生

幸久が帰宅すると、
妻の弓子がリビングから飛び出してきた。

「おかえりなさ~い」

いつものように
おかえりのキスをチュッと交わしたあと、

「あら?奈央ちゃんは?」

奈央の姿が見えないことに気づいた。

「いや、同期の青年と食事にね…」

そういうと一気に膨れっ面になった。

「いやん、もう!!
お祝いを兼ねて
ご馳走を用意してずっと待ってたのにぃ~」

ははは…まあ、いいじゃないか
若い者同士が仲良くなるのはいいことだよ。
そう言って弓子をなだめた。


「でも…同期って大勢なの?」

「いや、奈央ともう一人男性教師の2人だよ」

そう言うと、膨れっ面から一気に顔が曇った。


「大丈夫かしら…あの子、心の傷が…」

「だから行かせたのさ、
いつまでも傷を引きずってちゃいけない。
僕らが出会ったように
男女が出会うのは自然の摂理さ。
僕らもそろそろ
子離れしなきゃいけない年齢に
なってきたってことさ」

やさしく弓子を抱きしめ、

「今夜は僕らだけで
奈央のお祝いをすればいいさ」

そう言って唇を重ねた。



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