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蒼い春
第4章 同僚の沢口先生

奈央は居酒屋の個室で固まっていた。

飲めるんですか?そう沢口に聞かれて思わず
「はい」と答えてしまったことを悔やんでいた。

ビールは成人式が終わったあとに
幸久に勧められて口にしたことはあったが
おいしいとは思わなかった。

「何を飲みますか?」そう聞かれ

「じゃあ…オレンジジュースを…」
と答えた。

「あれ?もしかしてほんとは飲めない?」

問いかけにコクンと頷いた。

「そうなんだ~。
こりゃレストランにすりゃよかったかな」
がっかりする顔が可愛かった。


「でも、居酒屋さんのお料理メニュー好きですよ」

にっこり笑ってあげると沢口も

「そっか~、じゃあ、しっかり食べましょう」
と笑った。


沢口は話題も豊富で饒舌だった。

最初は緊張していた奈央も
すっかり打ち解けて、おおいに笑った。


「サワーを飲んでみようかしら…」

美味しそうにゴクゴクと喉を鳴らして
サワーを飲み干す沢口を見ていると、
飲んでみたい衝動にかられた。

「じゃあ、これを一口飲んでみる?
美味しければ頼むといいよ」

沢口のサワーを一口飲んでみると
甘くて飲みやすかった。

「これなら飲めちゃう~」

じゃあ、注文しようか。
タッチパネルで注文してから、
奈央が口をつけたグラスを手にして喉を潤した。

「あ!やべえ…
森下先生と間接キスしちゃったよ…」

そう言われて沢口の唇を見つめた。

なんだかほんとにキスしたように
奈央の女性部分がジュクっと潤んだ。


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