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蒼い春
第4章 同僚の沢口先生

颯太にとって奈央は
初めての女ではなかった。

体操選手権などの大会が終わった後で
ファンと称する女性を何度か抱いた。

決して遊びなれた男ではなかったが、
大会から開放され気分が高揚したために
抱いてしまった若気の至りだった。



過去の女性も
奈央と同じような
乳製品の発酵したような芳香がしたが、
奈央の香りは特別だった。

なんとも言えない甘い香り…


ふいに彼の腰、下腹部に衝撃が走った。


「ぐっ・・・!!」

匂いを嗅いだだけで
射精の衝動に襲われたのだった。


菊門に力を込めて全量の放出を食い止めた。


奈央にバレないように
ペニスをシーツに当てて
洩れでた精液を拭った。


沢口は早漏ではないと自負していた。

過去の女性とは、
挿入して優に30分は
ピストン運動ができたからだ。

その自信がもろくも崩れ去った。

挿入どころか
匂いを嗅いだだけで逝ってしまうなんて…

それほど奈央の香りは沢口を蕩けさせた。


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