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蒼い春
第5章 保健室の引きこもり生徒

校舎の1階の片隅
白い壁に白いカーテン。

白一色で閉ざされた小さな部屋。


そんな保健室が奈央の職場だった。


新任早々、やるべきことはたくさんあった。

絆創膏、包帯、消毒薬…

必需品の在庫確認と
来月に実施される身体検査のカルテ作り。


さあ、気合いれてがんばらないと…


意気込んでいると、
保健室のドアが開き
一人の男子生徒が入室してきた。

「あ、おはよう」明るく声をかけたが、
男子生徒は何も言わず
黙って奥のベッドに潜り込むと
カーテンを閉めて奈央の存在を無視した。


『彼ね…』

前任者が書きしたためてくれた
引継ぎノートに目をやった。


3年C組 赤羽隆一


保健室での引きこもり生徒。

おとなしく自習をするので黙認してよし

ノートには赤字でそう書かれていた。


『無視なんてできないわ…』

もうしばらくしてから声をかけてみましょう。

まずは、やるべきことをしなくては。
奈央は再び在庫確認の作業にとりかかった。

2時限目の終了を告げるチャイムが鳴った。

『さて、赤羽くんは
ちゃんと自習しているかしら』

奥のベッドに近づくと静かだと思っていたが
ハアハアと荒い呼吸をしているのがわかった。

『まさか、ほんとに体調が悪いの?』

気が動転した奈央は

「赤羽くん?」と
生徒の名を呼びながらカーテンを開けた。


「うわっ!!!!」

隆一は慌てながら毛布を下半身にかけた。

だが、一瞬早く、奈央は見てしまった。

スマホのアダルトサイトを見ながら
激しく勃起した陰茎を
シコシコと擦っていたのを…




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