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蒼い春
第5章 保健室の引きこもり生徒
「え?え?…」
戸惑いながらも彼は目を瞑り、
唇をチュウ~っと尖らせた。
「うふふ、バカね。それじゃ漫画だわ」
彼の唇に人差し指を押し当てて、
尖った唇をやさしく元にもどした。
「ふつうにしてていいのよ。
そうね、少しだけ唇を開いて…」
「こ、こうっすか?」
半開きの唇、
彼の目はうっとりと薄目を明けていた。
「そうよ、鼻と鼻がぶつからないように
少し頭を傾けて…
そうよ、いい?キスするわよ?」
そっと彼の唇に口づけた。
彼の手が奈央の身体を求め、
おずおずと背中に腕をまわしてきた。
奈央は上体を浮かして
赤羽くんの上に体を重ねてゆく。
沢口と違ってあばら骨の浮き出た薄い胸に
自分の膨らみを密着させた。
「先生の胸、あったかくて弾力あるね」
唇を重ね合わせたまま
彼が素直な感想を喋った。
「おっぱい…見てみる?」
大胆な言葉がスラスラとでてくる。
これは淫らな行為なんかじゃない。
教育者として童貞の青年への
性教育なんだという思いが
奈央の心を突き動かせていた。
「み、見たいっす…」
顔を茹でタコのように真っ赤にしながら
鼻息も荒く赤羽が目をランランと輝かせた。