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蒼い春
第6章 女性が好きな宮崎あゆみ
あの日から赤羽くんは
保健室に来なくなった。
童貞を卒業したんだから、
学業にがんばりなさいと指導したら
「はい。わかりました。
俺、がんばります」と
目を輝かせていた。
たまに廊下で赤羽くんとすれ違うことがあった。
そんなとき
「先生、どうしても我慢できなくなったら…
また、してね」と
茶目っ気たっぷりに笑っていた。
「うん。青年よ、
いつでも相手になってあげるわ」
奈央もまたウィンクをしながら
そんな言葉を返した。
保健室の業務にも慣れ、
養護教諭として一大イベントの
身体測定も無事に終えることができた。
ただ、そのときに
気にかかることが一つだけあった。
確か、1年A組の宮崎あゆみという子だった。
どう言えばいいのだろう、
そう、クラスメートを見つめる目が…
まるで男子が女子の下着姿をみて興奮している…
まさにそんな感じだった。