この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
保険外交員の営業痴態
第15章 秘書の女
「内定をもらったお祝いをしてあげたいけれど
今はそれどころじゃないのよ」
明子さんは真由美にごめんなさいねと謝りながらも
大量の書類に目を通し始めた。
「あの~…、私で良ければ何か手伝いますけど」
真由美からのその言葉を待っていたかのように
「ほんと?うゎ~、助かるわぁ」
明子さんは横に積まれた段ボール箱の中から
カレンダーのロールを取り出した。
小口のお客様なら郵送しちゃうんだけどね
ほら、上客の方とは何かと接点があった方が
何かと便利だからと
「悪いけど、カレンダー配りしてくんない?」
アポなしで回ってくれたらいいわ。
もし留守ならポストに投函しておいてねと
顧客名簿もご丁寧に渡してくれた。
手伝うとは言ったものの
この寒風の中、外回りはイヤだなあと
露骨に顔に出てしまったのだろう
「そんな顔しないで、
ちゃんと帳尻合わせしてあげるから」
そんな風に言いくるめられて
真由美はカレンダーを手に
冬将軍が猛威を奮う寒風の街に飛び出した。
『こんなことなら
パンツスーツにすれば良かったわ』
ダウンコートを着て上半身は暖かいけれど
下半身はミニのスカートにブーツ姿なので
寒風にさらされる太ももがとても寒かった。