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保険外交員の営業痴態
第15章 秘書の女

顧客名簿上位に
あの霧島栄一の名があった。

『霧島さまなら自宅を知っているし
ここにしよう』

あの男の事だから
挨拶だけでは済まないだろう。

途中、百貨店に飛び込んで
トイレを拝借してビデで丁寧にアソコを洗った。

木下部長との情事の痕跡は
綺麗さっぱりと洗っておいた方がいいと思った。

ついでにメイクもバッチリにやり直した。

『うん、これなら失礼はないわね』

化粧室の鏡に写る自分の姿をみて
真由美は一人で合格点を与えた。


いざ、霧島さまのタワーマンションに着くと
いきなり警備員の方から
「アポなしでは通すわけにはいきません」と
通せんぼされた。

仕方なくスマホを取り出すと
以前に頂いた霧島の名刺に書かれている連絡先に
電話してアポをいただくことにした。

数回の呼び出し音の後、
『霧島だ』と横柄な声がした。

きっと真由美の番号が登録されていないので
誰からだろうと怪訝に思ったのだろう。

「桐島さま、明けましておめでとうございます
わたくし、○○生命の中西でございます」

『お~、あの若いねえちゃんかい?
何だ、あんたが連絡してくるって…』

「あの…新年のご挨拶に
お部屋にお寄りしたいのですが…」

『あいにくと留守にしているんだがね…
まあいい、部屋に秘書を常駐させているから
私が帰るまでくつろいで行きなさい』

遠隔でオートロックが解除された。



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