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保険外交員の営業痴態
第5章 元カレにアタック

「わかったよ、すぐに帰るよ」

和真の通話で彼女と同棲しているんだなと
容易に理解できた。

「わりぃ、俺、帰るわ」

和真はそう言って乾燥機から洗った服を取り出した

まだ半乾きで湿っていたが
この際かまわないやと
着衣を始めた。

「帰るの?
いやよ、まだサービスの途中なのにぃ」

真由美は必死で引き留めたが

「あいつ、怒らせると怖いんだわ」と
和真は元カノよりも今カノを選んだ。


前回と今回と
なんだか二度もフラれた事に
真由美は落ち込んだ。

『私って、そんなに魅力がないのかしら…』

ベランダの窓から外を見ると
和真が軽自動車まで走り
慌てて乗り込むのが見えた。

真由美は慌ててベランダの窓を開け、
雨が吹き込んでくるのもかまわずに
「カズく~ん!」と大声で叫んで
腕が千切れるほど振ったのに
和真は気づきもせずに
車を急発進させて帰っていった。

一人取り残された真由美は
ドレッサーの引き出しから
例のディルドを引っ張り出して
頬擦りした。

「あなただけね…
私を裏切らないのは…」

真由美は大きく口を開いて
ディルドを頬張った。

無機質で冷たい感触に
虚しくて真由美は涙を流した。


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