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保険外交員の営業痴態
第6章 准教授の前田
台風の風雨が強くなってきた。
ベランダの窓に大粒の雨が打ち付ける。
雨戸を閉めるべきなのだろうが、
真由美にはそんな気力もなかった。
部屋の床には
特大のディルドが虚しく転がっている。
和真は彼女からの連絡を受けて
意図も簡単に真由美の部屋から去った。
『私って…そんなに魅力がないの?』
気分転換にディルドを使って
オナニーをしようとしたが気分が乗らない。
久しぶりに和真の体に触れて
あんなに濡れていた女性自身が
今はすっかり乾いてしまっている。
頑張りなさいと
明子がくれたコンドームの出番だと思ったのに
取り出す暇もなく
セロファンの封も切られることはなかった。
やっぱり、この仕事は
自分に向いていないのかもしれない。
不意にシーリングライトが消灯した。
停電になったのだ。
真っ暗な部屋は
なおさら真由美の気持ちを憂鬱にさせた。
『もう寝ちゃおう…』
こんな日は寝てしまえば
何もかも忘れられる。
ぐっすり眠ればイヤな気分もリセットできるわ
真由美はスマホの明かりを頼りに
ベッドに潜り込んだ。
ベッドにはほんのりと温もりが残っている。
『和真の温もりだわ…』
真由美はベッドに顔を埋めた。
和真の残り香を吸い込みながら眠りに落ちた。