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黒い瞳
第1章 プロローグ

「由紀子・・・・」

女は、恐る恐る声を発した。

掠れた声ではあるが、
己の発した声が室内に流れた。

どうやら発声は大丈夫のようだ。

女は、おもいっきり息を吸い込むと、
今できる精一杯の大声を発した。

「由紀ちゃん、大丈夫?由紀子?
ねえ由紀子、返事をしなさい!由紀子!!」

その声は暗い室内に反響して、
己の鼓膜をジンジンと震えさせた。

再び稲妻の閃光が淳子の網膜を刺激する。

それに呼応するかのように雷鳴が轟き、
体の芯を揺り動かした。

一瞬のフラッシュバック。

稲妻の閃光が去って暗闇を取り戻した室内に、
けっして見えるはずなどないのに
黒い瞳が女を見つめていた。

まるで漆黒のような黒い瞳が、
室内の暗闇の片隅から女をしっかりと見据えていた。

恐ろしくはなかった。

いや、むしろ愛しささえ感じる黒い瞳・・・

そう、この黒い瞳は愛すべき我が娘の由紀子の黒い瞳・・・

由紀子の黒い瞳が女を見据えていた。


思い出した! すべて思い出した!!

「いやあ~~~~!いやよ!・・・
由紀子!由紀子~~~!!!!」

女は胸が裂けんばかりに、声を張り上げた。

身体が動かないのではなかった。

白い拘束具に身体の自由を奪われているのだった。


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