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黒い瞳
第8章 淳子~20歳~
「いやあああ~~っ!!」
淳子はパニックに陥った。
どうすればいいの?
どうすればいいの?
その時、衰弱しきっている由紀子が
力を振り絞ったように泣き始めた。
『うるさい!うるさい!うるさい!!!』
淳子は、ふいに由紀子の大きな黒い瞳が恐ろしくなった。
「なによ、その目は!そう、お腹が減ったの!! それならミルクをあげるわ!食べなさいよ!!」
そう言って、古くなったミルクの粉を由紀子の口へ流し込んだ。
「食べなさいよ!さあ、食べなさいよ!」
ミルクの粉をどんどん由紀子の口に流し込み、
顔中が粉だらけになった。
由紀子はすでに息絶えていた。
しかし、その黒い瞳が淳子をしっかりと見据えていた・・・