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短編 出張の一夜
第3章 上司のオナニー

イヤホンをしている桧山は気付かなかった。

エロ動画を見ながら
せんずりをかいてる己の呼吸の荒さを…

夜の静寂の中では、
せんずりで手を上下に動かす
シュ、シュという音さえ
かなりの音量だということを…


一方、掛フトンを蹴っ飛ばして
眠っていた藍子は
ブルっ!と寒気で目を覚ました。

どうやら温泉で温まった身体が
湯冷めしてきたようだった。


そして目覚めた目に
いつもと違う部屋の風景に気づいた。

『そうだった…私、出張中だったんだわ…』 


しばらくすると頭もハッキリしてきた。

温泉旅館で上司と
同室で寝ることになったことも思いだした。


課長はぐっすり眠っているのかしら…

あらっ?…

隣から、何やら荒い息遣いが…

夢でも見てうなされてるのかしら?


気になった藍子は寝返りを打って、
桧山の寝ている方に目をやった。


そして愕然とした。

桧山が股間をさらけ出して、
自慰に耽っていたからである。


『スマホでエロ動画を見てオナニーを?』

スマホの画面の明かりが
血管さえ浮き立たせているペニスを
暗闇の中に浮かびあがらせていた。


スマホ画面に釘付けになって
恍惚の表情を浮かべる上司…

見てはいけないものを見てしまった!!

でも藍子の目は
イチモツから逸らすことができなかった。


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