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いろはにほへと~色は匂えど~
第7章 婚礼
策ノ進とお民が初おめこをしようとしている頃…
城内のお吉はというと…
庄屋の娘とはいえ、
農民上がりのお吉は
腰元連中から浮いた存在であった。
村では一番の器量良しでも、
ここに来れば人並みの器量であった。
腰元連中は
それぞれの村から一番の器量良しが選ばれ
連れて来られた者達ばかりなので当然であった。
おまけにお吉は幼い頃に母親を亡くしていたので
針仕事も掃除も基本がなっていなかった。
料理だけは自信があったが、
城内には料理番というお役目の武士がいたので
お吉の出番はなかった。
おまけに女としての作法も不勉強ゆえ
皆の足手まといとなっていた。
なので当番を組む者達はお吉を毛嫌いした。
当然の事ながら
そこには新入り虐めという構図が
出来上がりつつあった。
しかし、お吉を虐める腰元は、
さらに上級の腰元から虐めを受けてたりもした。
一見華やかな腰元の世界も
女のぎすぎすした性根が入り交じり合う
複雑な世界なのだった。

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