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濡れるハイスクール
第1章 体育教師 大井崎恭輔

ここは女子校の『聖リリー学園』…


その体育館の壁に貼り出された
新しいクラス換えの表を見て
在学生からは
感嘆の叫声と嘆きのため息が
あちらこちらで交差していた。


「美雪~!こっちこっち!」

片平あおいは
親友の沢町美雪を見つけると大声で呼んだ。

「大きな声で名前を呼ばないでよ…
恥ずかしいじゃない…」

「これが大きな声を出さずにいられるわけないじゃん
見て、美雪、私たちまた同じクラスよ」


あおいの指差すパネルを見上げると、
確かに同じクラスに二人の名前が記されてあった。


「担任の先生はと…」

担任教師の名前を確認して二人は首をひねった。


大井崎恭輔…


「誰?」

二人は同時に声を発した。

この学校に通って3年目なので、
大概の教師の名前は把握していたが
大井崎恭輔という名前は記憶になかった。


「もしかして…新任教師?」

担当科目は保健体育と記してある。

「体育大学新卒のピチピチの若い先生かもぉ~」


二人はまだ見ぬ大井崎恭輔という教師に
淡い期待を抱いた。




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