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濡れるハイスクール
第1章 体育教師 大井崎恭輔

その後、体育館で始業式が始まった。

新入学の新一年生からは
真新しい制服の匂いが漂ってくる。


そんな初々しい一団の片隅で
数人の生徒が集められて先生から叱られていた。

いずれもパーマやカラーによる
頭髪の生活指導だった。



「毎年恒例の風景ね」

あおいが美雪に耳打ちしながらクスクスと笑った。



「ここで、新しく赴任されてきた先生方を紹介します」

学園長の言葉に
美雪たちは固唾を飲んで身構えた。


壇上に登った中で、
まだ大学生かと思える若々しい男性教師がいた。

美雪たちはてっきりその男が
担任の大井崎恭輔だと思っていたのだが
期待は外れた。


最後に壇上に現れた中年教師が
大井崎恭輔と名乗った。


「やだ…オヤジじゃん…」

あおいがあからさまにガッカリした表情を浮かべた。

始業式が終わり、
3年C組の教室で待機していると
大井崎が大股で教室に飛び込んできた。


始業式ではスーツ姿であったが、
ジャージに着替えていた。


「担任の大井崎だ。ジャージ姿だけど許せ。
この格好が一番落ち着くんだ」

そう言ってジャージパンツを腰高に
クイッと引き上げた。



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