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濡れるハイスクール
第3章 あおい と 美幸

「君たちの誠意はわかったから
今夜は遅いから早く帰りなさい。
先生がタクシーを呼んであげよう」

大井崎がポケットからスマホを取り出すと、

「私、お し っ こ が した~い」
と沢町美雪が言えば、
「私も~」と片平あおいが同調する。


「仕方ないなあ…
じゃあ、トイレを貸してやるから
済んだらさっさと帰るんだぞ」
と二人を部屋に招き入れた。


「わあ~~、綺麗なんだ!」

「それにいい匂いがするぅ~」

ここに越してきて
まだ一週間にも経たないから生活臭もしないし
マンションの管理人が
入居前に消臭微香してくれていた香りが
残っていた。

「おいおい、どんな部屋を想像してたんだ」

「私が先ぃ~」

「あ、ずっるい~い」

争うようにしながらも
先にあおいがトイレに飛び込んだ。


「あおいったら
いつもこんな感じで
何でも私の先を行っちゃうんです」

ミニソファーに腰掛けて
美雪はくつろぎながらそんなことを話し始めた。


『おいおい。。。くつろぐんじゃねえよ』

部屋に上げてしまったからには
それなりの接待は必要だろう…

大井崎は冷蔵庫から
お茶の2Lペットボトルからグラスに注いで
テーブルに置いてやった。

「あ、おかまいなくぅ~」
などと一人前の事を言いながら
遠慮の知らない高校生らしく
お茶をガブガブと飲んだ。


「おいおい、そんなにがぶ飲みしたら
帰りのタクシーの中で
またトイレに行きたくなるぞ」

そう言いながらもお茶目な生徒に好意を持った。


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