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蜜と獄 〜甘く壊して〜
第2章 【快楽主義の射精術】





「エヘヘ、ケーキ全部食べたい」




はい、あーん…を繰り返し平らげてくれた。
食べた後に写真撮らなかった事を後悔されてて。




「感動でそれどころじゃなかった」って最高の褒め言葉ですね。
最大延長も程なく終わり、最後はハグで締め括った。




「あ、本当にネクタイ結べれるんですよ?」と少し屈んでもらってネクタイを結んでいるとまた照れてらっしゃるので「新婚みたいですね」と付け加えた。




「いってらっしゃいって言ってもらえる?」




「いってらっしゃい、早く帰ってきてね?」




束の間の新婚ごっこに身体をくねらせて悦んでいる。




「あ、曲がってるよ?」とネクタイを直してあげてまだ続くと思わせたら、ちょうど立ってる位置がマジックミラーからは少し見えにくい死角となる。
それも見越しての最後のサービス。




ネクタイを少しだけ引き寄せ唇同士が触れ合うだけのソフトキス。
勿論、オプションで。
一瞬の出来事だったので目をパチクリさせている。




「もう時間だね…」




名残惜しそうに指を絡ませる。




「今まで生きてきた中で一番最高の誕生日になったよ、ありがとう」




「嬉しいです、私も」




仮面の下の笑み。
後ろ髪を引かれる様子で部屋を出て行く最後のお客様。
ヒラヒラと手を振りエレベーターに乗り込むまで部屋の扉から見送る。




終わった。












控え室に戻る前にケーキのお皿など清掃しやすいように一纏めにしておく。
扉の開閉音が聞こえて案の定入って来た。
バチッと目が合い、片付けていた手を勢いよく引き寄せられる。




「やめてください…!まだ落としてないので…」




さっきのさっきまでお客様と接していたというのに今はその手に触れられたくありません。
顎クイされこれでもかと目が訴えてくる。




「いつからあんな接客するようになった?」




「延長するよう指示があったのでそのように動いただけです」




唇を親指で撫でられる。




「あの客とキスしたのか?」




そっと手に触れて下ろした。




「どうしたんですか…?あんなの、オプションの1つじゃないですか」










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