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Kiss Again and Again
第8章 それから

 半袖で過ごすことがなくなった10月のこと。

 その日は 今回のレポートは メールではなく紙提出するのだということを忘れていて 朝は余裕がなかった。

 歯磨きしながら 着てゆく服を選ぶ。 時間のない時は 同系色のものを組み合わせるにかぎる。 黒のボートネックのニットに 黒のぴったりしたサブリナパンツにした。 黒ばかりでは気が引けるので 飴玉のようにコロコロとしたカラフルな大きめビーズのネックレスをあしらった。 黒色というのは 間単で 誰にでも似合う。

 その格好で キャンパスを急いでいると
 「あゆっ」 海が 駆け寄ってきた。
 「おはようございます。 今日は 1限目からですか?」
 「そんな格好で 電車に乗って来たの?」
 「・・・はい」 なにか? 「今日は 暖かいから」
 「これ 着て。 帰るまで脱いじゃあダメだよ」
 海は 自分が着ていたジャケットを わたしに着せた。 海の体温が残っている。
 「いい? 脱いじゃあダメだよ」

 駆け込みセーフで ゼミの教室に入ると 純子ちゃんが 「なに? それっ?」
 「下で 海に会って 着せられちゃった。 脱いじゃあダメなんだって。 今日の格好 そんなに変だったのかなぁ」
 「あゆ。 脱いで、 立って 回ってみせて。 ・・・歩いて」
 言われた通りにすると
 「確かに 着ていた方がいいかも。 その格好 裸でいるより エロいよ」
 慌てて海のジャケットを着た。
 「裸より・・・ 悪いの?」
 確かに ボートネックはやや大き目に開いており 時々肩がでる。 今まで そんなこと考えることもなく 服を選んでいたのだけど。 エロいの?

 「ねぇ・・・ 立花先輩って 意外と あゆのこと マジかもね」
 純子ちゃんが ぼんやり言った。


 その言葉は 棘のようにどこかに刺さり いつまでも チクチクと痛かった。


 「ジャケット 返したいのですが」
 海からのラインの返事は 「今日 行ってもいい?」

 「じゃあ 家で待っています」

 わたしたちは どこへ向かおうとしているのだろう・・・

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