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Kiss Again and Again
第8章 それから

 「クリスマスなんだけど」
 「23日しか 空いてないんだ。 あゆの都合は どう?」

 イブは 本命様用ですものね。 大丈夫。 
 理由を聞いたりしないから。 
 こんなことでは 傷つかないから。

 「大丈夫です」
 「ホテルで ディナーして そのままお泊り する?」
 「そんなお手本のようなコースは 恥ずかしい、かな」
 「じゃあ 初めてのクリスマスは いかがいたしますか? お嬢様」

 小さなクリスマスケーキにロウソクを立てて 二人で吹き消して 「メリークリスマス」と言いましょうか。

 「丸の内か 代々木のイルミネーションを観に行きませんか?」
 「そんなことでいいの?」
 「冬空の下 腕を組んで 歩きませんか?」
 「あゆが それでいいのなら」

 わたしたちは 東京駅で待ち合わせ クリスマスを満喫しようと群がる観光客に混じってひしめき合いながら横断歩道を渡り 黄金色のイルミネーションの並木を歩いた。 降りかかる輝く宝石のかけらのような灯りのせいで 昼間より明るい舗道を 迷子にならないよう海の腕につかまり 並んで歩くのは 幸せだった。

 何もかもが 美しかった。 
 沢山のツリーが それぞれの嗜好で飾り立てられ どれも ちかちかと瞬く。 甘酸っぱい匂いを撒き散らしながら 頬を寄せ合い写真を撮る恋人達。 プレゼントで膨らんだ紙袋を振り回しながら歩く家族連れ。 店先にサンタクロースが立つスィーツのお店は 無邪気に笑い合うおしゃれをした女の子たちで混みあっている。

 『恋人がサンタクロース』の歌が流れるなかで ぐるぐる回るミラーボールが作り出す人工吹雪のイルミネーションを全身に浴びながら 小鳥のようなキスをした。 人前なのに 何度もキスをした。

 これ以上 求めるのは 分不相応、不謹慎なような気がする。

 あなたは 心のない嘘つきの恋人。
 それで いいじゃない。

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