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Kiss Again and Again
第2章 大学生活
 「仲村さぁん」
 呼び止めたのは高梨さんだった。

 「サークルの部屋 忘れた?」
 いきなりで 笑った。
 「カサブランカは好き?」
 「映画の『カサブランカ』のことですか?」
 「他になんか あるのん?」
 「カサブランカ、っていうお花があります」
 「映研に 関係 あるのん?」
 「いえ。 ないと思います」

 ちょっと意地悪な言い方だけど 高梨さんの顔つきは 優しい。

 「『カサブランカ』を上映してるとこ 見つけたから。 新入生歓迎会かねて いかへんかな、と思うてんね」

 高梨さんは そこらの女の人より お肌がきれい。 顔が小さくて 一重の切れ長の目は 女形のように艶めかしい。

 「ボクの顔に 見惚れてんと サークルいこか」
 「はい」

 高梨さんは 自分がきれいなこと ちゃんとわかっているみたい。


 「愛美ちゃんって 呼んでもええ?」
 大学、って そんなものかなとか思いながら 「はい」と返事した。 高梨さんが言うと 「あんみちゃん」に聞こえる。


 「すごいことやん、なぁ。 スクリーンで 『カサブランカ』観れるんやで。 やっぱ 東京はすごいなぁ」

 ああ 高梨さんも 映画が好きなんだなぁ、と嬉しい。

 「イングリット・バーグマンのあのうるうるの目を スクリーンで観れるなんて 感激です」
 「せやろ、せやろ。 ええ企画と思うやろ? ただ ちょっと遠いねん」
 「どこですか?」
 「八王子」
 「うちからは 全然遠くないですけど」
 「あかんかもしれんなぁ」
 「そーなんですか」

 高梨さんは ふっ、と足を止めて
「この企画 駄目やったら ボクとふたりで 観に行く?」

 ちょっと びっくり。

 「あかんかったら 考えてみますね」
 そう言うと 高梨さんは 笑いながら
 「おおきにっ。 愛美ちゃんは 優しいなぁ」


 高梨さんも 優しい人だと思った。
 ただ どきどきする優しさでは ないのだけど。


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