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Kiss Again and Again
第9章 高梨さん

 帯は 売り物は折ることができないから、と 和さんが 控え室から金色の帯を持ってきてくれた。

 「ワンピースの上から あんなにタオル巻いたのに 帯が こんなに余ってる。 愛美ちゃん 本当に細いねぇ」
 華やかな飾り結びを お母さんと和さんが作ってくれるのを 高梨さんは 離れて見ている。 ちょっと 目を合わせにくい。

 「和 愛美ちゃんの髪 きれいにしたげ」
 再び スツールに座り 鏡の前にいると
 「この着物じゃあ 愛美ちゃんの着物が映えん。 ちょっと 着替えてくるわ」
 高梨さんも 目を合わせたくないのかもしれない。

 「せやなぁ」
 高梨さんのお母さんは 別な赤い振袖を 衣桁に掛けながらお仕事モードに入ったように見える。
 和さんは 手際良く わたしの髪を編みこみにして 小さな花の髪飾りをつけてくれた。 淡いピンク色のグロスしかつけていなかった唇にも 着物の色に合わせた真紅の口紅を塗ってくれた。

 「まぁ ほんま かわいらし。 お人形さんみたいやなぁ」

 誉められ続けで 恥ずかしくて 居心地が悪い。


 「涼矢は 大学のとき どんなでした?」
 思いもかけず 哀しげな声だった。
 「楽しそうで とても生き々々していらっしゃいました」
 「今は どんなに見えます?」

 こんなに良くして頂いて 嘘はつけない。
 「一生懸命で しんどそうで 疲れているようにみえます」
 お母さんは まじまじとわたしを見た。

 「まあ。 残酷なくらい正直やなぁ。 おおきに。 一番知りたかったことや」
 わたしは 立ち上がって ふかぶかと頭を下げた。 
 「残酷なこと言って 申しわけありません。 でも しんどそうでも 頑張り続けるつもりみたいだから」
 「おおきに。 ほんま ありがとう」

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