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Kiss Again and Again
第10章 裏切り

 かちり・・・ 鍵をまわす音。


 海は 小心な子猫の俊敏さで 起き上がった。
 「あゆっ 寝室へ行っていて」
 その張り詰めた声に 意味もなく慌てて 寝室へ入った。 海は ドアを閉めた。

 玄関ドアに向かいながら 「今日は 約束していなかっただろう」という海の声。
 くぐもった声が 言い争っている。

 激しく 鼓動が打ち始め 身体中が心臓になったようで どくどく立てる音のせいで 会話は聞き取れない。 足が震えて 立っていることができない。


 突然
 「仲村愛美!!! いるんでしょう!?」
 「アリサ やめろっ」

 悲鳴のような女の人の声に へたりこんだ。 がたがた・・・震える。

 寝室の壁一面に 残酷な亀裂がはいり 万華鏡の中に閉じ込められたかのように 目がまわる。


 「でてきなさいよっ!!!」
 「アリサ!!!」


 重たい天井が降りてくるような恐怖感に 目をぎゅっと瞑り 耳をふさいだ。


 それなのに
 「どうせお人形さんでしょうっ! なにもできないくせにっ!」
 という声は聞こえた。


 できるだけ身体を小さくして 頑なに 耐えた・・・ 冷たく 耐えた・・・

 自分の身体を 捻って 捻って 捻りきって チリヂリにしてしまいたい・・・


 もみ合って言い争った様子の後 ドアがたたきつけられる大きな音がした。



 海は もどってこなかった。

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