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Kiss Again and Again
第10章 裏切り

「たつにぃが あゆを連れて来い、ってうるさいんだけど。 来る?」

 ゼミの教室を出る時 純子ちゃんが聞いた。
 行き場のないひとりぼっちの身には 罪な誘惑。
 樹さんのケーキが 恋しくもある。
 そして あの奥行きのある深い声。

 「前に 色んなこと言ったけど たつにぃは 一度に何人もの女と つきあったりはしないから。 ただ、ひとりの女と長続きしない。 それが浮気性なのか 誠実なのかは わからない。 それでもいいなら つきあって楽しい男だよ。 優しいし。 おススメはしないけど」

 「以前 舞台やってたことがあるから たつにぃって 言うことが大掛かりで嘘くさいでしょう? 軽くみえるよね。 でも 妹の贔屓目を差し引いても いい男の部類かな。 そこまで薄っぺらじゃあないから」

 有名店のパティシェの前経歴は 舞台俳優なの?
 純子ちゃん兄妹、って 何気に すごくないですか?


 絶対 秘密だからと 純子ちゃんが紹介してくれた恋人なる人物は なんと 同じ大学の講師だった。 学部が違うのに どうやって知り合ったのか 知りたいっ。 ほのかちゃんには内緒だっていうし 根掘り葉掘り聞くためには 純子ちゃんちに お泊りに行くのが一番いいのだけれど そうすると もれなく樹さんが ついてくる。

 シャインマスカットを手土産に 純子ちゃんちを訪ねた。


 「あゆちゃんって ローランサンの絵みたい」
 「ほら シャネルの肖像画。 あゆちゃんを見ていると あの絵を思い浮かべる。 その睫毛のせいかなぁ」
 樹さんの手料理をいただきながらの 雑談だった。
 「私は いわさきちひろの女の子を思い出すよ。 あゆの目って 睫毛が濃いせいで 真っ黒に見えるんだよね」

 新作のチョコレートとオレンジのケーキの試食を、という言葉に つい 来てしまったけど こんな話題は 困るかな。
 温めたミルクと細かくした茶葉で作ったミルクティは あんまり美味しくてお代わりをしてしまった。

 「僕といると もう少し 太れるんじゃあない?」
 そんな口説き文句は 聞いたことがありません。 心は動かされますが。

 「僕 餌付けが上手でしょう?」
 どうして こんな・・・ こんな男ばかりなの?


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