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Kiss Again and Again
第10章 裏切り

 純子ちゃんの部屋で 灯りを消した後
 「違う学部なのに どうやって知り合ったの?」
 「高田さんと?」
 「高田さんっていうのね? じゅんの恋人」
 「うーーーん。 取った講義の関係で 歯抜けになって空き時間ができるじゃない? その時間に 丁度講義のあるところで 勝手に聴講していたわけ。 それで 高田さんの講義も聴講していたの。 講師だから それひとつしか持っていなくて いつも後ろの方の席に座っていたんだけど。 ボードに字を書く手がきれいだから もっと近くでみたいな、って 最前列で受講するようになって。 そうしたら 向こうから 『君は 聴講生なの?』って話しかけてきて。
 うーーーん。 それから なんとなく」
 「なんとなく? なんとなく、何がおこったの?」
 「別に・・・ なにも」
 「なにもなくて 恋愛になるの?」
 「講師用の部屋で ふたりで話しこんだり レポートを見せたり。 彼の論文をみせてもらったり。 そんなことはやったけど」
 「それが じゅんの ”相手を知り尽くす”ことなの?」

 「あゆって なぁんか いつまでも どこまでも 純粋だよね。 人を好きになるのって 説明できないよ。 だって 手がきれい、だけだったんだもん」

 「ちょーろまんちっくっ」
 「あゆっ もう寝るよっ。 わたしは 明日は1限目からだけど あゆは3限からでしょう? たつにぃに 送ってもらうといいよ」
 「えっ・・・ なんで1限目なの? 同じじゃない」
 「いいのっ。 もう寝るから」
 そっ・・・かぁ・・・ 高田講師さんと なんかあるんだね、きっと。

 「おやすみなさい」
 「あ・・・ 樹さんに 送ってもらわなくていいから。 一度、家に帰ってから行くし」
 「だから 送ってもらいなさい。 そうしたい人が 約一名いるからっ」
 「・・・・・」

 なんか わたし 危ない橋を渡っていませんか?


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