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Kiss Again and Again
第10章 裏切り

 翌朝 純子ちゃんが出かけた後 また樹さんと ぎこちなくキッチンに立ち 片付けをしていた。
 手・・・
 樹さんの手もきれい。
 「樹さんって 手がきれいですよね。 すんなりしていて白くてすべすべ。 男の人の手じゃあないみたい」
 「仕事で クリームやバターを散々触るから。 常に 高栄養価のパックをしているみたいなものだよ。 お寿司屋さんの手も お魚の油のお陰でとてもきれいだよ。 でも 火傷だらけ」
 それから 手の甲でわたしの頬を撫でた。
 「すべすべ?」
 「樹さん やりすぎ。 からかわないでください」
 また 華やかに笑った。 こんな大人の男に付き合っていたら 心臓がもたない。

 「送っていただかなくても ひとりで帰れますから。 樹さんもお仕事があるでしょう?」
 「そんなに構えなくても 送って行くくらいはいいでしょう? 車の中という密室がいやなの?」

 なんだか 樹さんとふたりっきりでいると 不安な気持ちになる。
 「僕が 怖い?」
 そして 間単に 見透かされてしまう。

 「僕は 傷つけたりしない。 約束するよ」
 「僕を利用すればいい。 誰も傷つかない。 流れに身を委ねれば それでいい」
 「せっかくですが 今はそういう気分ではないので」
 「どういう気分なの?」
 「男なんて くそくらえっ」
 「あははは・・・ あゆちゃんでも そんなこと言うんだ」

 「僕はね あゆちゃんの心に 誰かが残っていても かまわない。 そのまま丸っと受けとめるから。 その誰かも含んで あゆちゃんだと思えるから」
 「まるで 愛の告白みたい」
 「そうでしょう?」

 どうして こんなこと 顔も赤らめずに言えるの? そんな男を信じるほど初心じゃあない、つもり。

  純子ちゃんの髪は真っ黒で 瞳も黒くて大きいのに 樹さんの髪は 染めていないのにブラウンがかっていて 瞳はそれに合わせたように茶色っぽい。 
 背が高く 隣に並ぶと見上げるようだ。

 「あゆちゃんの家を覚えておきたいから 今日は送らせてください」
 「そんなことを言われて はい、そーですか、とか 言いませんから」
 「今日だけ 特別に 言って」

 ”特別”に 送ってもらうことになってしまった。

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