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Kiss Again and Again
第14章 新しい扉

 突然 どんっ どんっ どんっ というどこかを叩く音がして
 「あゆちゃんっ」
 驚いて 「はいっ」
 「なにっ!? 何事なのっ!?」 ほのかちゃんも驚いている。

 純子ちゃんだけは冷静で
 「たつにぃでしょう? お勝手口。 駐車場から近いから」
 「あゆちゃんっ」
 「はいっ」
 「あゆ。 行って開けてやって。 鍵は持ってるはずなんだけど」

 名前を呼ばれるたびに返事をしながら お勝手口まで行き 鍵を開けた。
 「おかえりなさい」
 「あゆちゃん・・・ 逢いたかったぁ・・・」

 樹さんは 白いユニフォームを着て 髪の毛が少しぺとりと張り付いたようになっている。 抱きしめられると 甘い匂いがする。

 「みんなで 樹さんのケーキをいただいているところです」
 「みんな?」
 樹さんは ケーキ箱も持っている。 靴を脱ぎ 肩を抱かれたまま居間に言った。
 ほのかちゃんに 「はじめまして。 じゅんの兄です」と挨拶すると
 「はじめまして、ではないのですが それでもいいです。 お邪魔して 美味しいケーキをいただいております」

 ほのかちゃんは にこにこしながら それでもすばやく樹さんを観察した。

 「じゅん 僕にも紅茶を一杯飲ませて。 急いで来たから 咽喉がかわいちゃって」
 純子ちゃんは 樹さんの分の紅茶を淹れながら
 「鍵は持っているでしょう? なんの騒ぎよ」
 「うん。 車につけたままだから」

 「これ 梨のタルト。 あゆちゃん 食べてみて」
 「あら。 こんなに沢山は。 一人暮らしなので・・・」
 「あゆが無理なら 私 いただいてもいいですか? 家族がいるので こなせます」
 「ええ。 あゆちゃんには また作るから。 よかったら どーぞ。 まだ試作品なので ご家族の意見を聞かせてください」
 「洋梨ではなくて 梨? 日本の梨なのですか?」
 「まだ どの梨にするか決めていないので 試作の段階です」

 樹さんは ふたりきりの時とは明らかに違う 落ち着いたパティシエになっている。 それが少し可笑しい。

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