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Kiss Again and Again
第15章 クリスマス後

 厨房には暖房がないので 樹さんは どこからかヒーターを持ってきていた。

 樹さんが 時間を切り詰め 取り繕うことで どうにかクリスマスを一緒に過ごすことができた。
 ステンレスの台の上に 可愛い刺繍をあしらったナプキンが敷かれ これもまたどこから用意したのか シャンペングラスがふたつ。 バラの花が主役のバスケットも置かれていた。
 受け皿に立てた太いキャンドルに 次々と火を灯した。
 メロンに生ハムを巻き 一口大に切ったものと苺を冷蔵庫から出してきて 並べる。
 灯りを落とし 小さなパーティーが始まる。

 「寒くない? こんなところでごめんね」
 樹さんの目は赤く充血している。 忙しかったのだ。
 時計は 10時をまわっている。

 「樹さん お疲れでしょう? わたしは クリスマスなんて・・・」
 シャンパンをグラスに注ぎながら
 「せっかくだから クリスマスを祝おうよ。 世界中がお祝いしているんだから」
 注ぎ終わったグラスのひとつに 何かを落とした。
 「クリスマスプレゼント。 全部飲まなきゃ 手に入らない」

 淡い金色の液体の底に 小さな泡粒にまみれた指輪が沈んでいる。

 「小指のサイズしか知らないから」

 ハートが連なったピンキーリングだ。

 「わたしからのプレゼントです。 メリークリスマス」
 「ありがとうっ」
 樹さんは 大急ぎで包みを開けると 明るめのグレーのカシミアのセーターを 目の前にかかげた。
 「ありがとう。 きれいな 温かそうな色だね」
 着ていた白いユニフォームを脱ぐと プレゼントのセーターを頭からかぶった。
 「ありがとう。 とっても温かい」

 ありがとう攻撃の後は ふんわり抱きしめた。

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