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Kiss Again and Again
第15章 クリスマス後

 お鍋が出てくるまで コンクールのことを聞いた。 料理教室の先生が作った『星の王子さま』のケーキや 盆栽を模した飴細工のお菓子など 樹さんの話は言葉巧みで とても楽しい。 こんな時間をともに過ごしたかった。

 モツ鍋を取り分けながら
 「しっかり食べてくださいね。 モツは精がつきますよ」
 樹さんが わざとらしく目を大きくしてみせたので 自分の言った言葉の意味することに 紅くなってしまった。
 「そんな意味では・・・ ただ・・・お忙しかったから・・・」
 「ふぅーーーん。 あゆちゃん やぁらしい。 精をつけさせて どーするの?」
 「そういう・・・ことではなくて・・・お疲れみたいだから」
 「お言葉通り 沢山食べて 精をつけておきます。 今日は 寝かせてもらえないみたいだし」
 「た・・・たつきさん・・・ やめてください」

 こんな風に恥ずかしがると きっと樹さんを歓ばせるだけなのだとは思うのだけど 顔が紅くなり お鍋が咽喉を通らなくなる。

 「あゆちゃんも しっかり食べて精をつけておかないと。 すぐに寝てしまうんだから」

 樹さんは 帰りの車も中では 握った手を放さなかった。 しっとりと汗ばんでいる。

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