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Kiss Again and Again
第15章 クリスマス後

 ひとしきり泣くと 落ち着いた。
 膝の上で まだ背中を撫で続けながら
 「あゆちゃんが 泣くの 久しぶりに見た」
 「ごめんなさい。 何でもないのです」
 「何でもなくない」

 こんな子供みたいなことして 呆れているでしょう? 樹さんの顔が見れない。

 「もっと 大事にするから もう泣かないで」
 そうじゃあないのだけど。 

 「だから 一緒に お風呂に入ろっ」

 何が「だから」なのかわからないけど。 はぐらかされたような。

 広い湯船の中で 樹さんの胸に心地よく収まって ふたりで温まった。 身体の芯から温まると なんて馬鹿なことをしてしまったのだろうと 恥ずかしい。 振り返り 樹さんを見上げると なんだか悲しそうに見える。

 「今日も 身体を洗ってあげるから 泣かないで」
 「もう 泣いていません」
 「病人じゃあないけど 僕のことも 洗ってくれる?」

 樹さんの背中は 何度見てもホレボレとする。 広くて 筋肉質ではないのにがっしりして パティシエにはもったいない。 あわ立てたボディタオルでしっかり擦った後 なんとなく抱きついた。

 「なぁんか、ね この背中 すき・・・」
 くるりと身体を前に向けると
 「じゃあ こっちは?」
 「それは 洗いながら考えます」

 膝まづいて 腿に樹さんの足をのせ 指先、指の間を洗っていると
 「これ・・・癖になりそう・・・」
 「気持ちいいですか?」
 「うん。 見て。 勃っちゃった」
 「えっ・・・?」 さっき そこを洗った時には それほどでもなかったのに。

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