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Kiss Again and Again
第15章 クリスマス後

 雨は 夜になってもやまなかった。
 樹さんのお店は 今夜は 灯りはついていたが ロールカーテンは引き降ろされていた。
 「こんばんは」
 「いらっしゃい」
 迎えてくれたのは 樹さんだった。 まだユニフォームを着たままだ。
 「もう片付いてるから 着替えたら出れるよ。 厨房で待っててくれる?」

 着替えてきた樹さんは プレゼントのグレイのセーターを着ている。 また うれしい。 小さなうれしいが 積み重なる。
 近づくと キスしてくれた。
 「逢いたかった・・・」
 わたしも。 そして キスしてほしかった。
 「お嬢様 何を食べたいですか?」
 あなた。

 「雨の中 ひとつの傘で歩きながら 決めませんか?」
 華やかに笑う。 大好き。

 わたしの傘は小さいからと 大きな傘をどこからか持って来て 樹さんがさしてくれる。 傘の中 肩を抱き寄せられ いつもは通り過ぎるだけの舗道を歩いた。

 「このお店 一度入ってみたかったんだ。 近いと 意外に来ることないから」
 可愛いフレンチのお店に入り 樹さんが フォアグラが好きなこと 酸っぱいドレッシングは苦手なことを知る。 こんな時間を紡ぎ上げて 深く知り合えるのかもしれない。

 「もし よかったら こんな風にお店に寄ってもらって それからデートとか どうかなぁ?」
 ワイングラスが空になったとき テーブルを見ながら 樹さんが言う。
 「時間が不規則な仕事だから 待ってもらうこともあるけど。 そうすると もっとあゆちゃんに逢える」
 「そんなことをしても 大丈夫なのですか?」

 大丈夫、には 色んな意味がある。 
 わたしのために 時間をさいてもいいの? わたしに 縛られてもいいの? わたしともっと一緒にいてもいいの?

 「あゆちゃんがよければ もっと逢いたい」

 よい、に決まっている。

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